ヒロインに注目。夏の韓国ドラマ② 韓流女王の帰還と、成熟した大人のためのドラマ。

日韓ワールドカップサッカーが開催された2002年前後から、韓国のドラマ、映画がアジアをはじめとした諸外国に積極的に輸出されるようになり、多くのファンを生んだ。ドラマの主役を演じた俳優たちは『韓流スター』と呼ばれ、空前のブームを呼ぶ。


当時、ドラマで人気を得た俳優の多くはその後、映画に活動の場を移していく。映画製作現場の環境に魅力を感じる俳優と、人気が高まったため高額になってしまったギャラのためにキャスティングしにくくなったテレビ側の事情が上手く重なってしまった。


だが最近になって長らく映画で活躍していた俳優たちがテレビドラマに復帰し始めている。テレビドラマの製作現場の環境が整って来た、ということもあるし、テレビ復帰して成功した『紳士の品格』(2012)のチャン・ドンゴンや、『星から来たあなた』(2014)のチョン・ジヒョンらの活躍もあるだろう。そしてこの夏、また一人映画界で活躍してきた女優がドラマ復帰する。


『グッド・ワイフ』に出演するチョン・ドヨンだ。『プラハの恋人』以来11年ぶりのドラマ出演となる。(カメオ出演を除く)


2005年に放送された『プラハの恋人』の大ヒットで、韓流スターとなったチョン・ドヨンは、その後映画に活動の場を移し、映画でも数々のヒット作を生む。2007年公開の『シークレット・サンシャイン』では、第60回カンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞している。


『グッド・ワイフ』は、同名のアメリカのドラマのリメイク版。結婚後仕事を辞め、有名検事の貞淑な妻として生きて来た女性が、ある日、夫の不正疑惑とスキャンダルに巻きこまれる。拘束された夫のに代わり家計を支えるため、15年ぶりに弁護士に復帰。その中で自分のアイデンティティを見つけていくというヒューマンドラマだ。

チョン・ドヨンはヒロインのキム・ヘギョンを演じ、夫のイ・テジュンをユ・ジテが務める。ユ・ジテも主に映画を活動の場としている俳優のひとりだ。他にユン・ゲサン、キム・ソヒョン、AFTERSHCOOLのナナ、イ・ウォングンらが出演する。


『グッド・ワイフ』は、7月8日からケーブル波のtvNで放送される。


もうひとり「カムバック」という言葉が似合う女優がドラマに出演する。『空港への道』に出演するキム・ハヌルだ。ドラマ出演は『紳士の品格』以来4年ぶりだが、今回は結婚後最初のドラマ出演ということでも注目を浴びている。


キム・ハヌルのデビューは映画『パイジュン』(1998)だが、1999年のドラマ『ハッピー・トゥゲザー』でイ・ビョンホン、ソン・スンホンと共演したことで人気に。その後もテレビドラマ、映画の両方で作品を重ねている。

また、共演した俳優が出世する、というジンクスでも有名で、クォン・サンウ、カン・ドンウォン、カン・ジファンらはキム・ハヌルとの共演作をきっかけにブレイクしている。最近の作品ではチャン・グンソク、ユ・スンホら年下の俳優と共演することも多く、今年公開される映画『女教師』ではイ・ウォングンと共演している。


今回出演するKBSのドラマ『空港への道』で、キム・ハヌルは客室乗務員を演じる。若くしてパイロットの夫と結婚し小学生の娘を持つ母親でもある。私生活でも「ミセス」となったキム・ハヌルがどのような姿を見せるのか期待が集まっている。共演者にはイ・サンユンが確定している。


他にも日本でヒットしたドラマ『最後から二番目の恋』のリメイク版も放送される。主演は『密会』『ミセス・コップ』で40代女性のあこがれとなったキム・ヒエと、『チャングムの誓い』でイ・ヨンエ演じるチャングムの夫、ミン・ジョンホを演じてブレイク、最近では『温かい一言』で人気を得たチ・ジニ。SBSで現在放送中の『美女コン・シム』の後番組として7月から放送される。


また、結婚、出産、育児を経て10年ぶりに復帰するイ・ヨンエが出演する『師任堂、光の日記』は、今月撮影を終了、10月からSBSで放送予定である。

(Photo: credit on pic)


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